予防接種について
予防接種で使用するワクチンは、感染症の元凶であるウイルスや細菌を弱めたり無力化させたりして製造されています。ワクチン接種によって、体内で抗体が生成されます。
抗体は病原体に結合し、排出を促すタンパク質です。
抗体の生成により、同じ病原体が再び攻撃しても感染しにくくなり、場合によっては感染しても症状が軽減されます。
当院では、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチン、新型コロナウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチンなど、数々の予防接種に対応しております。
ワクチンの在庫には限りがございますので、事前のご予約をお願い申し上げます。
なお、ワクチンによっては、お取り寄せに1週間ほどお時間をいただく場合があります。
さらに、インフルエンザワクチンの接種は通常10月から可能ですが、肺炎球菌ワクチンは通年受けられます。
予防接種当日で発熱があったら?当日の重要事項について
37. 5℃以上の発熱がある場合、接種は控えてください。
37. 0~37.4℃の場合は、医師が問診や診察を行い、他の症状や体調を確認してから、接種の適否を判断します。
微熱がある場合は、何度か(2回以上)体温を測定してください。
鼻水や咳、下痢などの症状が見られる場合は、必ずお知らせください。
ワクチンの効果や
副作用について
予防接種は、無毒化または弱毒化されたウイルスや細菌(ワクチン)を注射することで、感染症の発症を防ぐ方法です。ワクチン接種により抗体が生成され、病原体の侵入を阻止し、感染症の発症・進行を抑制します。
なお、ワクチン接種後には、注射部位の腫れや赤み、発熱、頭痛などの副作用が起こる可能性があります。これらの症状は基本的には数日で軽減しますが、稀にアナフィラキシーショックという深刻なアレルギー反応が引き起こされることがあります。
アナフィラキシーショックは、血圧低下や意識障害、脱力をもたらし、最悪の場合、命を落としてしまいます。先述した症状が出た際には、必ず当院へご連絡ください。
当院が行う予防接種一覧
当院では以下のワクチンをご用意しております。
その他新型コロナウイルスワクチンや麻疹ワクチンなど、ご希望の予防接種に対応することも可能です。
インフルエンザワクチン
インフルエンザ予防の重要性
インフルエンザは年々冬季に広まり、急激な高熱、咳、喉の痛み、全身倦怠感など、重い症状をもたらします。高齢者や基礎疾患のある方々、妊婦の方、そして小さなお子様たちなどは、重症化して肺炎や心不全、脳炎などの合併症を起こす危険性が高く、最悪の場合、命を落としてしまう恐れもあります。
インフルエンザワクチンは感染拡大や重症化を防ぐのに有効とされており、毎年接種することで免疫力を向上させることに期待できます。さらに、ご家族や職場など、周りの方々への感染リスクを軽減する点においても、大切とされています。健康な成人であっても感染すると、業務や日常生活に多大な影響を及ぼすため、あらゆる年齢層の方々に接種を積極的に勧めています。
接種のタイミング
接種の推奨期間は毎年、接種期間に入る10月頃から、11月中旬までです(当院では10月~翌年1月まで接種を受け付けています)。接種を早く完了することで、流行時期で十分な免疫を獲得することが可能です。
副反応について
接種部位の腫れや痛み、軽い発熱、倦怠感などが生じる可能性がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に落ち着きます。重篤な副反応は滅多にありませんが、症状があって心配な場合には、至急、お近くの医療機関へご相談ください。
肺炎球菌ワクチン(成人)
肺炎予防の必要性
日本人の死亡原因の中で、肺炎は高い頻度で見られ、特に高齢者にとってはより深刻な病気となります。肺炎を引き起こす細菌の中で、肺炎球菌は最も多く見られ、感染すると重症の肺炎や菌血症、髄膜炎など重い合併症を招くことがあります。
65歳以上の方や持病のある方、喫煙歴のある方など、免疫力が低下しやすい方は特に発症に要注意です。肺炎球菌ワクチン接種により、重症化を予防し、入院や長期間の治療を減らすことに期待できます。健康寿命延長のためにも、定期的な予防接種をぜひ検討してみましょう。
接種の効果と持続期間
1回のワクチン接種で予防効果が5年間持続しており、特に65歳以上の方には強くお勧めしています。これまで接種してこなかった方はぜひ、接種をご検討いただければと思います。
副反応について
ワクチン接種部位で赤みや腫れ、軽い発熱、倦怠感が現れることがあります。重度のアレルギー反応(アナフィラキシー)は非常に稀ですが、もしもの場合に備えて、当院では安全管理に万全を期しています。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎予防の重要性
B型肝炎はウイルス性肝炎の1つで、血液や体液により感染する肝炎です。初期感染時には症状が目立たないこともありますが、慢性化すると肝硬変や肝がんに進行するリスクがあり、将来的に重大な健康被害をもたらすことがあります。
特に、医療関係者や介護職、乳幼児、家族内で感染リスクがある方は発症に要注意です。予防接種を受けて感染を予防すると、将来の肝疾患リスクを大きく減らすことに繋がります。B型肝炎ワクチンは世界的にも安全性が高いとされており、生涯の健康を守るために非常に重要とされています。
接種スケジュール
初回接種から1ヶ月に2回目の接種を、そして初回接種から6ヶ月後に3回目の接種を行います。免疫をしっかりと身につけるためには、このスケジュールを守ることが非常に重要です。
副反応について
注射を受けた部位には痛みや腫れ、そして微熱が生じる恐れがあります。深刻な副作用が起こるケースは珍しいですが、接種後に違和感が生じた場合には、できるだけ早く当院へお問い合わせください。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹予防の必要性
帯状疱疹は、子供時代に水疱瘡ウイルス(VZV)に感染し、体内に潜伏した後、加齢やストレス、免疫の低下などを機に再活性化し、発症する疾患です。皮膚の痛みや発疹が一般的な症状ですが、最も恐ろしいのは「帯状疱疹後神経痛」と言われる後遺症です。回復してからも数ヶ月または数年間、強い痛みが残ってしまう恐れがあります。
50歳を過ぎると発症率が急に増加するため、早めに予防するのが望ましいとされています。ワクチン接種により、発症リスクが大幅に減少するだけでなく、症状が出た場合でも、軽減できる見込みがあります。将来の生活の質を維持するためにも、特に中高年の方には積極的な接種を推奨します。
ワクチンの種類と特徴
当院では、従来の弱毒ワクチンだけでなく、さらなる予防効果が期待できる不活化ワクチン(シングリックス®)も導入しております。このシングリックス®は、2回の接種が必要となり、長期的な予防効果を得るのに有効とされています。
副反応について
接種部位での痛みや腫れ、発熱、筋肉痛などの症状が報告されている傾向にあります。ただし、通常は数日以内に落ち着きます重度のアレルギー反応が稀に発生する可能性もありますが、当院では接種後の経過を注意深く観察いたしますので、安心してお受けください。