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肛門ポリープ切除

痔とは違う!?
肛門ポリープについて

痔とは違う!?肛門ポリープについて肛門ポリープは、腸と肛門の境目である歯状線付近にできる小さな突起で、下痢・便秘・切れ痔などによる慢性的な刺激が主な原因です。いぼ痔と似た見た目ですが、性質は異なります。サイズや形状は様々で、米粒ほどの小さなものから親指大のものまであり、きのこや団子に似たものも存在します。
ポリープは肛門内に留まることもあれば、排便時に外に出てくるケースもあり、出血や痛みを伴う場合があります。一時的に手で戻すことで症状が落ち着くこともありますが、大きなポリープは便意を引き起こしたり、肛門のかぶれやかゆみを引き起こしたりすることがあります。
炎症性や線維性など性状に差がありますが、腫瘍性の大腸ポリープとは異なり、がん化することはありません。慢性の切れ痔と併発するケースもよく見られます。

肛門ポリープの原因

肛門ポリープは、肛門内の歯状線付近に繰り返し刺激が加わることで形成される小さな隆起です。慢性的な便秘による硬い便や、頻繁な下痢が主な原因とされており、肛門周りの組織に負担がかかることで発症しやすくなります。いぼ痔(内痔核)、切れ痔(裂肛)、痔瘻(じろう)などの肛門疾患がある場合も、炎症の影響によりポリープができやすくなります。
症状として違和感や出血が見られることがありますが、自覚しにくい場合もあり、知らないうちに進行していることもあります。気になる症状がある方は、悪化を防ぐためにも早めの受診をお勧めします。

肛門ポリープに痛みはある?
気づきにくい症状

肛門ポリープ自体には通常ほとんど症状が見られません。歯状線の内側にできたポリープが排便時に外に出ることがありますが、指で押し戻せば元に戻ります。
ただし、便との摩擦によりかぶれや出血、かゆみが生じることがあります。ポリープが大きいと、常に便意や残便感を感じることもあります。

肛門ポリープが
できやすい人の特徴

肛門ポリープは、肛門周辺の皮膚や粘膜が繰り返し刺激を受けることでできる良性の隆起で、特定の体質や生活習慣によって生じやすくなります。以下に挙げる特徴に当てはまる方々には、肛門ポリープが形成されやすいとされております。

慢性的な便秘がある方

慢性的な便秘があると、硬い便をいきんで排出することにより、肛門の粘膜に大きな負担がかかります。

下痢を繰り返す方

水様便が頻繁に排出されることで、肛門粘膜の炎症が生じやすくなります。

痔をお持ちの方(いぼ痔、切れ痔、痔瘻(じろう)など)

既に肛門疾患を抱えていると、組織が弱くなりやすく、ポリープができやすくなります。

肛門に刺激を与える
習慣がある方

長時間座ったり、トイレでいきんだり、肛門周囲を強く拭いたりする習慣なども一因となります。

妊娠・出産経験のある女性

妊娠中や出産時は肛門への負担が大きくなるため、ポリープが形成される可能性があります。

肛門ポリープは良性のケースが多いのですが、別の疾患との鑑別が必要な場合もあります。症状や違和感がありましたら、早めに受診しましょう。

肛門ポリープの検査・診断

肛門ポリープの検査・診断肛門ポリープの診断では、まず丁寧な問診と肛門の状態を確認するための視診・触診、そして肛門鏡検査を行います。問診では、現在の症状に加えて、排便時に痛みがあるか、出血があるか、便が細くなったりしていないかなど、日常生活での排便状況について詳しくお伺いします。また、便秘や下痢の頻度、いきむ癖、食生活、過去の痔や肛門疾患の有無といった背景も、ポリープの原因や関連疾患を把握する上で大切な情報となります。

検査では、「肛門鏡」と呼ばれる筒状の器具を用いて肛門の中を観察します。肛門鏡を使用することで、ポリープの大きさ・形・色調のほか、どの場所にできているか(内側か外側か)などを確認することができます。さらに、ポリープが裂肛(切れ痔)に伴うものなのか、あるいは慢性的な炎症や排便障害が原因なのかといった点もあわせて診断します。
肛門鏡検査は痛みを感じにくいよう配慮しながら行われるため、過度な不安は不要です。症状や状況に応じて、必要があれば大腸カメラなどの追加検査を実施する場合もあります。
症状を長く放置すると、ポリープが大きくなったり、他の肛門疾患と重なって治療が複雑になることもあるため、早めの診断・処置が大切です。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

肛門ポリープ治療・手術

肛門ポリープの治療は、ポリープの大きさや症状の有無、原因疾患の有無などによって異なります。痛みや出血などの自覚症状がある場合や、排便時の違和感が続く場合には、早めの治療が望ましいとされています。当院では、患者様の状態に応じて無理のない治療方法を選択し、ご負担の少ない形で対応いたします。

経過観察

ポリープが小さく、出血や痛みといった症状がない場合には、すぐに手術を行わず、定期的な診察で経過を見守ることがあります。多くの場合、便秘やいきみといった生活習慣が関係しているため、排便習慣や食生活の見直し、便通の調整をあわせて行うことで、症状の悪化やポリープの進行を防ぐことができます。

薬物療法

ポリープ自体は薬で縮小することは難しいものの、炎症や痛み、腫れなどの症状に対しては軟膏や坐薬などの薬物療法が効果的です。薬を使用することで、排便時の痛みを軽減したり、出血を抑えることができます。また、併発している裂肛(切れ痔)などがある場合には、そちらの治療もあわせて行い、ポリープへの刺激を軽減します。

肛門ポリープ切除

ポリープが大きくなり、出血・痛み・違和感が強く日常生活に支障をきたすような場合には、外科的に切除することが一般的です。多くは局所麻酔による日帰り手術で対応でき、体への負担も比較的少なく済みます。手術は、出血の少ない電気メスなどを用いて、肛門粘膜のポリープを丁寧に取り除く方法で行われます。
術後は、創部の回復に伴う軽い痛みや出血が見られることがありますが、数日〜1週間程度で落ち着くことがほとんどです。痛み止めや軟膏、整腸剤を併用しながら経過を見ていきます。
また、肛門ポリープは排便時のいきみや肛門への刺激が原因で再発することもあるため、手術後は便秘を予防するための食生活の改善や、必要に応じた薬の使用、肛門疾患の再発予防が重要になります。当院では、術後のケアや再発防止のための生活指導にも丁寧に取り組んでおります。

肛門ポリープは、放置してしまうと徐々に大きくなったり、他の肛門疾患(切れ痔やいぼ痔など)と区別がつきにくくなることがあります。気になる症状がある場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。当院では、患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療法を分かりやすくご提案し、安心して治療に臨んでいただけるようサポートしております。

肛門ポリープは自然治癒する?放置した場合のリスクとは

肛門ポリープは、肛門や直腸の粘膜にできる良性の突起で、いぼ痔(内痔核)など慢性的な刺激や炎症が主な原因とされています。自然に消えることはなく、一時的に症状が落ち着いても、根本的には改善せず、徐々に大きくなる場合もあります。

出血が続く

肛門ポリープは、良性であっても排便時に出血しやすく、長期化すると貧血を招くことがあります。

和感や排便時の不快感

異物感やポリープの脱出により、排便時の不快感が生じることもあります。

がんとの見分けがつきにくい

ポリープの形やサイズによっては大腸がんなどとの判別が難しくなります。正確に鑑別するには、専門性の高い検査が必須です。
症状がない場合でも放置せず、気になる場合は早めに医師へ相談しましょう。内視鏡検査や日帰り手術を提案することもあります。